ダマスカス鋼のルーツ ウーツ!
ダマスカス鋼=ウーツ鋼
ダマスカス鋼といえば木目状とも流れる水のようだとも言われる綺麗な刃紋を持つ多層鋼というのが現在の認識ですが
元々はインドで製造されていた「ウーツ鋼」と呼ばれるものでし
た「ウーツ鋼」はペルシャの商人によりシリアのダマスカス地方に輸出され剣などにされたようです。
その剣はしなるような強靱さがあり錆びずに素晴らしい切れ味と言われその芸術性の高さから中世の時代は皇族が買い漁ったようです。
Iron Column / Craig Stanfill |
本当にあった?ウーツ鋼
「ウーツ鋼」の製造法はとてもクローズに伝承され残念ながら現在まで正確な作り方は伝わっておりません。
そう聞くと幻の鋼と思いますがインドにある「デリーの柱」と呼ばれ る高さ7メートル、10トンもある巨大な鉄塔はダマスカスで作られたと言われ1600年たった今でも錆びることなくそびえ立っております(地中は錆びている模様)
余談ですが「デリーの柱」 は地中を支配する蛇の王「ヴァースキ」の首に刺さっていると言われており、かつては観光客たちがその不思議な力にあやかろうと柱を触ったりしてい たようです(現在は柵があり立ち入りできない)
Hot iron / Andrei! |
ウーツ鋼 その作り方
錆びないダマスカスの製造方法はいろいろな学者などが研究し発表していますがはっきりとした答え は出ていないのが現状です。 製造方法の言い伝えによると「太陽のごとく熱し奴隷の肉体に刺して冷やす」などとあるようですが 本当であれば恐ろしい話です。これは大げさな言い伝えとして実際の製法を考察するに日本刀と同様に純度を上げて錆びづらくしているものと思われますが 「デリーの柱」 は鉄純度99.72%でありこの純度の鉄は50年で錆びるとも言われておりますのでダマスカス鋼は純度を上げるのではなく何かしらの添加物を入れて錆びづらくしているもの と考えられております。しかし残念ながら現在も当時の製造方法はわからないままです(水紋は炭素鋼の結晶偏析であり同様の刃紋で鋼材を作る事はできております)
*ちなみにウーツとは鋼を意味する言葉でありウーツ鋼という表現は正しくないかな
現代は様々な研究がされてダマスカスと同様の「しなり」や「サビずらい」「切れる」鋼材は実現していますが、古(いにしえ)のインド ダマスカス鋼で同様のことができた不思議が「ダマスカス鋼」をより神秘的に思わせる原因の一つかもしれませんね
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