このナイフはアメリカ本国のブッシュクラフトブーム後期の2018年に登場した。スパイダルコからはその前にサバイバルやブッシュクラフト用途に幾つかシースナイフがリリースされたが、このズーマーはその決定版とされた。しかし既に廃番、新品は市場在庫しか残されていない。ズーマーは決定版に相応しく、極めて鋭く食い付きの良いコンベックスグラインドCPM 20CVブレードと滑らかなG10ハンドル、最高級革シースが奢られ革シースを保護する純正ジッパーケースまで付属する。特筆すべきは極めて滑らかでホットスポットが全く無いG10ハンドル。フルタングブレードだが、G10で包み込むようにブレードを完全に覆い、ブレードエンドのポメルにランヤードホールが少し露出しているのみ。磨き上げられたG10は、接合部すら見えないほどだ。艶やかなしかし骨太な手触りは掌に吸い付くような感触、これは画像では絶対に分からない。この感触だけでも600ドルの価値があると思う。
ブレードリカッソが斜めにスパッとデザインされているのがまたクール。ブレードのスパイダーホールがかろうじてスパイダルコのアイデンティティを保つ。
20CVはマグナカットが出るまではウルトラプレミアムにカテゴライズされる最高級鋼だった。その食い付きの素晴らしい感触も病みつきになる。
オーバークオリティとも思える高級ブランドバッグのような革シースはおがくすや焚き火の灰にまみれるブッシュクラフトに使うのが気が引ける素晴らしい出来。
褒めちぎったが、これ程現物を手にしないとその良さが分からないナイフも他にあまりない。スパイダルコはフォルダーがメインストリームでこうした最高品質のシースナイフのラインナップが少なく、まだ売っている時に入手する価値はかなり高いと思う。
総評:



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